第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「……ん?」
何時もの慣れたやり取りだったのだが、ローの手に持っている物に気づいたユーリはフリーズした。
(……えぇぇぇ!?ゼ…ゼ〇シィ!?)
ユーリは動揺してその場から後ずさった。
(ど、どどどういうことだ!?あれか、中々彼氏が結婚を切り出さないのに対して、彼女がさり気にテーブルに置いて無言の訴えをするあれの逆パターンか!?あのローがそれをするとは思えないが、じゃぁなぜそれを持ってきた。それとも押し付けられたのか?若しくは私にプロポーズしろという無言の訴えか!?うぉぉぉぉどうすればいい!?)
ユーリは暫くその場に固まって頭をフル回転させていた。
そんなユーリをローは怪訝な表情で見ていたが、ちょっと話があると言って引きずるようにリビングへ連れて行った。
「おまえから話を聞いた後、色々考えていたんだが」
ユーリとローはテーブルを挟んで向かい合って座っていた。
色々考えていたとは勿論帰る方法だ。
ユーリは何気にローも探していてくれたことに嬉しさを覚えたが、ゼ〇シィショックが大きくてそれどころじゃなかった。
そして今から死の宣告でも受けるかのような表情のユーリに、ローはなんなんだと眉をひそめたが取り合えず話をした。