第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
二人がこの世界に来て一週間が過ぎだ
何だかんだでここの生活に慣れてきたローは、暇なときは勝手に外を出歩いているようだった。
最初はユーリの持ってきた医学書を興味深そうに読んでいたのだが、1000pほどあるにも関わらずその本は数日で読み終わってしまった。
その事実を知ったユーリは次の本を用意しようとしたが、わざわざ持ってこなくてもいいと言われ、どこに行けばあるのか聞かれた。
その後ローに財布を渡して本屋を案内したのだが、ここにきて漸くこの世界にも通貨があることに気づいたようだった。
なんだか微妙な表情をするローにユーリは気にしなくていいと言ったが、気になるものは気になっていたようだ。
そして二週間が過ぎた
ユーリの部屋は何時の間にか医学書が大量に増えていた。
だが不可解なことに、ユーリのお金はまったく減っていなかった。
「もしかして何かしてるの?」
そんなはずはないと思っていたが、他に考えられないので聞いてみた。
何かしてるって別に窃盗してるということでないが、ローが働いている姿が全く想像できないのだ。
「あぁ、なんか写真を取らせるだけで金をくれるらしいから行ってきた」
ーーーなんですと?
サラッと言ってきたローの言葉にこれがイケメンの特権かとユーリは膝から崩れ落ちた。
ローは分かっているか知らないが、モデルのオファーでも来たのだろう。
なんて神は不公平なんだと嘆いていたが、別にローがそれでいいならそれでいいかと無理やり納得することにした。
因みにローが写っている雑誌を見つけた時は、もちろん買った。
それを家に持ち帰って見ていると、本人がいるのに何でわざわざ買ってくるのかとローは不服そうだった。
それとこれは違うんだとユーリは伝えたが、恐らく彼には伝わらなかったのだろう。
背後から雑誌を取り上げられ押し倒されたユーリは、不機嫌な表情のローに顔を引きつらせたのであった。