第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「わぁぁぁぁ!?」
そして交代でユーリが風呂に入って戻った時に事件が起きた。
ローの手にはワンピースの漫画が開かれており、ユーリは慌てて駆け寄って取ろうとしたが綺麗に避けられた。
部屋に同人誌がないことだけを考えて安心していたので、漫画が置いてあることをすっかり忘れていたのだ。
しかも彼が持っているのは丁度ドレスローザ編のところだ。
ユーリがどうしようと視線を彷徨わせていると、当然だがローが質問してきた。
ここまで来た以上話さないわけにはいかなかったので、ユーリはなんとか分かりやすいように説明していった。
その説明を分かってるような分かってないような表情でローは聞いていた。
ユーリは冷や汗をかきながら、これ以上はもう説明しようがないというところまで説明した。
そして暫く考える素振りを見せていたローだったが、漸く理解したようで再度ユーリに質問してきた。
「じゃぁここに書かれている内容が、本来おれが辿る未来だったってことか?」
「そうです」
「……なるほど、よく分からん」
「…ですよねー」
ローの出した結論にユーリは脱力した。
まぁ取りあえずはちゃんと話したんだから、もうこれでいいだろう。
本人も別に気にしていないようだし。
というか何時の間にかローの興味の対象は、テレビで流れている医療関係のドラマに移っていた。
この野郎、一生懸命説明していたのにドラマ見てたんじゃないだろうなとユーリは内心突っ込みを入れたが、元々医者の彼は現代の医療が気になるのだろう。
その内本屋にでも連れて行って医学書を買ってあげようとユーリは思うと、その日は疲れたので先に寝ることにした。
ローはドラマを見てから寝るようだったので簡単にリモコンの操作を教えた。
そしてユーリは、明日から働きに行くためにもすぐに眠りに落ちていったのだった。