第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「あなた達には決定的に足りないものがあるのよ」
「え?それは一体……」
「そんなの自分で考えさないよ。じゃないと世界が滅ぶしあなた達は死ぬわよ」
「ええ!?ものすごい修羅場と共に壮大なストーリができあがったと思っていたのですが…」
自分で言ってて恥ずかしくなったが、あれだけの騒ぎを見せたのにまだ認められないとはハードルが高すぎやしないだろうか。
ユーリは頭を抱えた。
「あの話はあれで合格よ。問題はその後よ」
「へ?だからそれって…」
「あぁもう!恋する乙女ならすぐに察しなさいよ!本当に二人とも鈍いんだから!」
ユーリの言葉に妖精は怒り心頭だった。
なんとも理不尽な怒りにユーリはどうしたものかと思っていたが、分からないものは分からない。
そして暫く思い当たるだけ聞いていったが、違ってるのか当たってるのか後は自分で考えろとしか言われなかった。
「あなた一回自分の世界に帰って恋愛漫画でも読み直しなさいよ。……そうだわ、それがいいわ」
そういうと妖精は手をかざしてユーリに向けた。
「ちょ、ちょっと待ってください!またローと離れ離れになるんですか!?」
「心配しなくても彼も一緒に連れて行くわよ。仲良く恋愛漫画でも読んで勉強しなさい」
「ええええ!?それはそれでまずいですよ!!」
「煩いわね!!最初に言ったようにあなた達に拒否権なんてないんだからね!」
妖精の恐ろしい提案にユーリは抵抗したが、あっという間に意識が闇に飲み込まれていった。
何が悲しくて恋愛漫画を読む為、ローと一緒に逆トリップしなければいけないのか。
そもそも急に2人がいなくなればハートの海賊団が心配するのではないか。
というかローがこっちの世界に来たらどう扱えばいいのか分からない。
(ローの私物とか買った方がいいんですか!?てか仕事も見つけないと生きていけない!そもそも部屋にはローのポスターが張ってあるんですがーー!?)
そんなユーリの非難の声も妖精に届くことはなかった。