第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「……っ!」
ユーリが目を覚ますと、案の定見慣れた天井が見えた。
辺りを見渡せばワンピースの新刊が近くに置いてあり、本当に現実世界に戻ってきたようだ。
ユーリが身体を起こそうとするが、ローの腕が巻き付いていたのでそれは叶わなかった。
「……えぇぇ!?どうしよう!?」
ユーリは本当にローも一緒にいたので思わず叫んだ。
その叫びにローは眉をひそめたが、まだ起きる気配はない。
(やばいやばいやばい!どうすればいいんだ!?普通に暫くここで生活するのか!?今更学校にも行けないし取り合えず稼ぎ先を見つけるか!?うぉぉぉぉやることが多すぎる!)
「…うるせぇ」
ユーリがジタバタもがいているとローが起きてきたが、騒ぐなとばかりにユーリを抱き込み押さえつけた。
そして再び眠りに入ろうとしたが、何時もよりもベットが狭いことに気づきゆっくり目を開いた。
目の前には青ざめたユーリがおり、感じる部屋の違和感に辺りを見渡そうとした。
「うあぁぁぁあ!?」
ベリッ!バリッ!
ユーリは光の速さで起き上がりローのポスター×2を剥がした。
そしてお気に入りのポスターに傷が入ったことがショックだったが、取り合えず丁寧に畳んでクローゼットの奥深くにしまい込んだ。
「なんだ?この部屋は?」
ローはユーリの奇行も気になったが、見たことのない部屋を不審に思った。
まさか寝てる間に仲良く誘拐でもされたのか?
辿り着いた可能性にローは眉をひそめた。
「じ、実は……」
不審そうに部屋を見渡しているローにユーリは事情を話し始めた。
その話を静かに聞いているロー。
眉間のシワが次第に深くなっているような気がした。