第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
暫くユーリが喜んでいる姿を見ていたローだが、一応それを渡した意図を伝えることにした。
「因みにそれは一度付けたら本人の意思では外せねぇ」
「……ん?」
何やら不穏な言葉が聞こえて来たのでユーリは首を傾げた。
外せないってなんだ、呪いのネックレスか?
喜びの絶頂だったユーリはいまいちその意味が分からなかった。
「それは持ち主が危険な目にあった時、送り主にそれを知らせる代物だ」
ユーリが暫く固まっているとローが説明し始めた。
なんでもユーリが余りにも自分を顧みず危険に突っ込んでいくもんだから、見張る為に送ったとか。
まぁ普通のネックレスを送っても良かったが、この先再びユーリを失うのがトラウマになっていたローは迷った挙句これを選んだ。
因みに注文先は勿論ラミアである。
ユーリはまだ固まっていたが次第に顔を青ざめさせていた。
いくらなんでもそのリアクションはどうなんだとローは思っていたが、彼女は気まずそうに視線を彷徨わせていた。
「そ、そっか!…ローが心配してくれるのは嬉しいよ。…ありがとう!」
なんとも不自然な感じで再度お礼を述べるユーリに、ローは不審に思っていた。
寧ろユーリが危ない時はローが駆けつけれるようになってるんだから、そこまで挙動不審になることはないだろう。
ユーリが何を考えているか分からず、ローは眉をひそめた。
「あ、そうだ!私も贈り物があるんだ!」
ユーリは気を取り直したのか、ローが渡したのよりも少し大きめの箱を持ってきた。
それを開けてみれば、男性用のチェーンのネックレスが入っていた。
ナギサの白を基調としたものに対して、ローのは黒を基調としたものだった。
暫くそれを見ていたが、折角ユーリがくれたものなので礼を言って身に着けた。