第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
その後暫くユーリの話を聞いていたローだが、次第に落ち着き始めたので昨日渡しそびれたものを渡すことにした。
「ほらよ」
そう言ってユーリに渡したのは小さな箱だった。
中を開けてみると、白い真珠のような珠をモチーフにしたネックレスが入っていた。
一つだけあるその珠を物珍しそうに見ていたユーリは、角度によっては色が変わることに気づいた。
まるで虹色のような輝きを放つそれは本当に美しかった。
「え、私に?」
「……それ以外に何があるんだよ」
キョトンとするユーリは漸く自分への贈り物だと理解したのか、少し頬を染めるとはにかんだ笑みを浮かべた。
「ありがとう!」
そう言ってさっそく付けようとした。
しかし上手く付けられずだんだんと表情が険しくなってきたので、ローがつけてやった。
「わぁ、私プレゼント貰うの初めてなんだ!嬉しい!」
無事に付けられたネックレスを見て笑顔でユーリは喜んだ。
ローは初めて貰うと言う事実に驚いたが、渡してよかったと表情を緩ませた。
誕生日も分からず友人にも祝って貰ったことがないのだろう。
恋人と呼べる人とも短期間で終わりを告げられたユーリは、なんだかんだ言ってプレゼントというのを貰ったことがなかった。