第1章 前編 時の彼女と死の外科医
「…っく、まさかのオーバーキルとは。………いや、それよりも、初めて名前を呼んだ、だと!?」
ユーリは痛む体に鞭打って立ち上がると、なんとも言えない表情でローを見た。
「てめぇふざけてる場合か!さっさとおれから離れろ!」
ローはユーリの反応から思ってたより傷は深くないと判断し少し安堵した。
しかしなんともイラッとする表情でこっちをガン見してくるので、思わず睨みつけてしまった。
目の前で鬼哭を振り上げ今にも斬りつけようとしてるローを怖くないのか、ただの阿保なのか。
ローは歯を食いしばり鬼哭を振り下ろすのを耐えていた。
「色々ごめん。苦しいけど少し我慢してね」
ユーリは原作よりカオスな状況に、やっぱり私は関わるべきでなかったと後悔していた。
しかし一度かかわると決めた以上、最後まで責任をとならければならない。
ユーリはローに向かって駆け出した。
ローのROOMを解除できない以上、遅かれ早かれ2人はここで溺れ死んでしまう。
だからROOMを解除する方法なんて、咄嗟に1つしか思いつかなった。
バシャン!
ユーリはローに抱きつくように体当たりすると、2人一緒に海水に落ちていった。
水中に沈んでいく中、ローを離さないようにしっかり握るとROOMが解除されるのを待った。
そして解除された瞬間、まずは収納バックを召喚してローの首輪を破壊し、後はワープを使ってひたすら地上を目指した。