第1章 前編 時の彼女と死の外科医
「おい!大丈夫か!」
するとそこへ漸く回復したのかルフィが駆けつけて来た。
そしてローに掴みかかり止めようとしたが、それをユーリが止めさせた。
「お願いがあるんだけど。ブリードとシーザーを連れて、3人で潜水艦で逃げてくれないかな?」
「え?ユーリはどうするんだ!?」
「私はローの首輪を解除して一緒に逃げるから。正直4人を抱えて地上にワープするより、1人を抱えてるほうが融通が効くから」
ユーリのワープは体力に比例する。
これだけ体力が削られてる中だと、一回のワープで地上に行けないことは悟っていた。
だから何回もワープを繰り返してる内に誰か1人でも落としたらと思うと、不安だったのだ。
「そっか、分かった。無理はすんなよ」
「ありがとう。万が一私に何かあれば2人の能力は解けるから、ゴムゴムの力で捕まえててね。後潜水艦の操縦の仕方が分からなくても、ジュゴン達が導いてくれると思うから」
ユーリは話しながら3人を捕まえて潜水艦に移動すると、再びローの元へ戻った。
「あれ、どこに行った?」
ユーリはローの姿を探すがどこにも見当たらず、まさか海に落ちたのではと海面を覗き込んだ。
次の瞬間、体の力が抜ける感覚に陥った。