第1章 前編 時の彼女と死の外科医
能力についてそれなりに考えていたユーリは、この収納バックをその辺に置いとくか身に着けることが、一番体力の消耗も少なく能力を切らす可能性が低いことに気づいたのだ。
まぁその結論に至るまでに数回痛い目にあったが。
「っく!なんてことをしてくれたんだ!もういい、ルフィ、ロー、ユーリ、沈むまでここで殺し合いをしてろ!」
「……残念、もう誰も効かないよ」
ユーリはブリードの背後に回ると、タイムを使い時を止めた。ついでにシーザーも止めておいた。
「さてと、私も体力やばいし海水もやばいし.早く皆で脱出しないと…」
「おいっ!逃げろ!」
「…うあっ!?」
ユーリがローとルフィを回収しようと辺りを見渡した瞬間、ローの鬼哭が頬を掠めた。
声が聞こえて咄嗟に避けたから良かったが、一歩遅かったら無事ではすまされなかっただろう。
(あれ、もしかして海水に流されたとき耳栓外れた?とりあえずROOMの発動だけは気合で抑えてくれてるみたいだけど。しかしブリードを止めても能力を解除できないとは予想外だな)
ユーリはローの攻撃をかわしながら首輪を破壊する機会を伺っていた。
ロー程の実力者相手に、正面からワープを使って近づくのは危険な気がしたのだ。