第16章 合理的はなまる
「校長先生!」
「変更って…」
タダでさえ不安な心に、容赦なく不安が降り積もっていく。
でも相澤先生の体を包帯をつたって降りていく校長先生を見ると、ちょっと和んだ。
「それはね…」
校長先生が言うには、
敵活性化の恐れ。
それが大いにあるらしい。これからの社会、今まで以上に敵との戦いが激化すると予想される…とか。
たしかにみんなが授業中に襲われちゃったことや、ステインさんのこと。色んなことが思い当たる。
それで、ロボットとの戦闘訓練は実践的では無いと判断されたそうな。
「これからは、対人戦闘、活動を見据えた、より実践に近い教えを重視するのさ!」
…うむ。なるほど……。うむ?あれ?ってことは……まさか…先生がこんなにたくさん居るってことは…まさか……
「二人一組でここにいる教師一人と戦闘を行ってもらう!」
「先…生方と…!?」
恐れていたことが現実になってしまった。
「尚、ペアの組と対戦する教師は既に決定済み。動きの傾向や成績、親密度……諸々を踏まえて独断で組ませてもらった。」
……あれ?でも、二人一組ならひとり溢れちゃう。どうするんだろう。成績に関係する大切なことだし、一人だけ一人でやるのって不公平なんじゃないのかな…?
「そうそう。安藤、お前は」
「は、はい!!」
相澤先生先生の口から突然私の名前が飛び出し、息を呑んだ。
「お前は二人一組じゃなくて」
三人一組かな?個性が使えないのを考慮してくれたのかな!ありがとう先生!
「一人だ。」
「へぁ……?」
相澤先生の口から出た言葉を、私は最初、理解出来なかった。