第2章 プライド×劣等感
「……。あの……手、貸して欲しい…です。」
「……あぁ?なめてんのか?」
「ごめんなさい!な、なめてません!このままだと、寒くて凍死しちゃうかも……。」
「勝手に死ねクソカス。つーかそんな簡単に人はしなねぇよ。そんなのもしらねぇのかよ。」
そう言いながらちょっとずつ近づいてくる。
もしかして、助けてくれる?いや、死ねって言ってたし、もしかして……殺す気か!!
そう思ってズササッと後ろへ下がる。鯉達が驚いている。驚かせてごめんね!命の危機なんだ!
その私の動きに、彼はぽかんとこちらを向く。なんか、害のなさそうな顔で。
「んだよ、助けて欲しいんじゃねぇんか?」
「へ?助けてくれるの?」
「誰が助けるか!」
「えぇぇぇ?」
彼が何を考えているのか、まったくわからない。
「さっきの……取り消せ。」
「?」
「さっき言ったこと!!取り消せって言ってんだよ!!」
「さっき?」
顔が逆光で見えなくて、私はただただぽかんとした。