【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第4章 roasting
家康は何も言わず、襷の結び目にぐっと力をかける。
しゅるり、と勢いの良い音でそれは解かれ、私の脚は久方ぶりの自由を取り戻した。
「…どれだけキツく結んでたの、こんなの自分で解けた?」
「あ、あ、ありがと、脚が自由になっちゃダメだと、思って…」
何を、だなんて。
何をされると思っていたんだろう、と自分の言葉に恥ずかしくて…折角自由の身になったのに、畳にまた顔から突っ伏す。
穴があったら今すぐ入りたい。
そんな私に、家康ははぁ、と聞こえよがしな溜息をついた。
「そんなに嫌だったんならさ、もうこんな事しないように…」
「い、イヤとかじゃなくて!!!」
それだけは誤解されちゃ困る、と急いで顔を上げる。
恐らく真っ赤になっているだろう顔、そして半泣きの目、それらを隠すことも忘れて、家康と目を合わせた。
家康はひどく驚いた様子で、目を見開いてこちらを見ている。