第4章 roasting

顔から火が出そうな程恥ずかしくて、家康の顔が見れず、俯いたまま。
最後まで言い切ってみたものの、家康は何も声を発さない。



もしかして、呆れられた――心配になり、おずおずと顔を上げると。
空いた手で口元を抑え、笑いを堪える家康と目が合った。




「千花…あんた、ほんと、馬鹿」
「…うぅ…！！」




今回ばかりは言い返す言葉も無く、余りの恥ずかしさに呻く。
そんな私の態度すら面白かったのか、家康はとうとう隠すことなく笑い出した。
余り家康の笑顔を見れる事は無くて最早眩しい位だし、自分の行いで笑ってもらえて嬉しい筈なのに…



そうそう喜べない、今の状況。




「だって、俺はてっきり、あんたが新手の拷問でも受けてるのかとっ…」


「か、勘違いさせまして申し訳ありません…」



「うん、ほんと、その通り。

馬鹿。
無鉄砲。


…向こう見ず」