【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第4章 roasting
「ちょっと、おいっ…大丈夫!?
千花っ…!!!」
それからどの位寝ていたのだろう。
ゆさゆさと強く揺さぶられ、名を呼ばれ。
声の方にゆるゆると目を向けると、緊迫した表情の家康がいて、吃驚する。
「え!?い、家康っ…!?」
「あんた、何だよこれ…誰にされたの!?」
何を言われているのか分からず、首を傾げ。
家康の目線を追うと、脚にきつく巻かれたままの襷が目に入る。
そして、自分が家康の腕の中、抱き起こされたような格好をしている事に漸く気付いた。
「はっ…!?いや、あの、これはっ」
「俺が来た時には、もう誰もいなくて…
うつ伏せに転がされた千花だけだった、もう少し早く様子を見に来ていれば…!」
ぎり、と悔しそうに歯を噛み締める家康に、恥ずかしさが臨界点を超えた私は、腕で顔を覆った。
それすら心配をかけてしまったようで、千花、と優しい声で名前を呼ばれ、いたたまれなくなり。
恐る恐る、少しずつ、説明しようと口を開く。
「あの、これは、半東の所作の練習中でっ…
淑やかに動くために、自分でやったの」
「…は?自分、で?」
「…そう…足さばきが良くないって注意されたから、これなら静静と歩けるかな、って…
で、途中で転んじゃって、そのまま気づいたら寝てた、の」