夢現 ~Dream"A"live~ 《気象系BL》
第4章 wish
「俺も翔さんの事、好きだよ」
「うん、だからありがとう、って」
「だから、そうじゃなくて…翔さんと同じ意味で好きなの」
「え?」
俺の腕の中で固まる翔さんが可愛くて仕方ない…なんでこの人は仕事中はしっかりしてるのにプライベートになるとこんなに可愛らしくなっちゃうんだろ。
このギャップにやられちゃうんだよな…仕事では先頭を行くのに仕事から離れると急に守ってあげたい存在になる。でも、翔さんを守るのは大野さんの役目だと勝手に思い込んでた。
「翔さん…俺もね、ずっと翔さんの事好きだったよ?でもね翔さんの隣にいていいのは俺じゃないと思ってたから、気持ち伝えないでいた」
「なんで?なんでニノじゃないの?」
「俺じゃ役者不足だから…翔さんに並べるのは大野さんだと思ってたんだ」
「俺に並べるって…そんなの誰が決めるんだよ、俺の気持ち考えてないじゃん…」
翔さんの顔が哀しみに歪む。
「ごめんね、翔さんの事好きだけど尊敬する気持ちが大きいから俺とじゃ釣り合い取れないって諦めてた」
「勝手に決めるなよぉ」
とうとう翔さんの瞳から涙が溢れ出した。
「ほんとにごめん、俺が自分に自信なかったから」
翔さんの頬に流れる指で涙を拭った。
「なんで自信持てないんだよ」
「何やったって大野さんには敵わないから」
「そんなの関係ない、そんな事言ったら俺だって智くんには何一つ敵わないよ、俺も一緒じゃん」