夢現 ~Dream"A"live~ 《気象系BL》
第4章 wish
「翔さん?」
「ごめん、そうじゃないんだ…ニノが頼りないとかじゃなくて、ニノだから話せなかった」
「俺だから?」
小さく頷くと翔さんはまた俯いてしまった。
「…ニノに知られるのが怖くて」
「何が怖いの?他のメンバーは知ってるんでしょ?それ知ってみんなはなんて言ってたの?」
「…大丈夫だよ、って…ニノなら受け止めてくれるからって…」
「なのに翔さんは俺に話してくれなかったの?俺、そんなに信用ない?」
他のメンバーからの後押しがあっても翔さんは俺に話すことなくひとりで悩んでた。翔さんの俺に対する信頼ってそんなもんなんだ…何が『すぐに解決する』だよ、反って落ち込んで来たじゃないか。
「信用ないとかじゃなくて…信用はしてるんだよ?でも…」
普段ハッキリと意見を言う翔さん…こんなに言い淀むなんてどんな内容なんだよ。それだけ重要事項なのか?
「翔さん、大丈夫だから…俺は何を聞いても翔さんの味方だから…だからね?話して翔さんの悩み事…俺に出来ることなら協力するから」
「…ほんとに?俺の話を聞いてもニノは俺の味方でいてくれるの?嫌わないでいてくれる?」
翔さんが目線だけを上にあげて俺を見る。その瞳は不安そうに揺れていた。
だから俺は翔さんを安心させたくてそっと抱きしめてあげた。
「大丈夫だよ、世界中が翔さんの敵に回っても俺だけは翔さんの味方だから」
ベタな台詞だけど翔さんに俺の気持ちを伝えたかった。