第5章 私立リアリン学園!序章
それからは、四苦八苦しながら、なんとかこなしていく日々が続いた。
夏期講習ということもあって、授業内容はあらかじめ決められているので、マニュアルに沿って進行していく。
なので、自身で授業の組み立てを考える必要がないので、気負わずにいけるのだけど。
予想外に、教える内容以上の質問をしてくる生徒達の多いことに、驚く。
私もそれに答えられるようにと、授業の空き時間や休みの日には机に向かいっぱなしだ。
私、学生時代よりも勉強してるかも?
一心不乱に打ち込むことのできるものがあるって、すごい。
素晴らしいことだよね。
参考書片手に、しみじみ思う。
教えることの楽しさ、難しさ。
私は、やっぱり教師が向いてると実感した。
教育実習の時は、緊張しっぱなしで、何がなんだかわからないまま、あっという間に過ぎてしまったから。
今、こうして、教えることにやりがいを感じていて、もっと頑張ろうと思える。
それからまた数日が過ぎて―――。
最近は、ゼミでの評判もよく、担当授業が増えたので、メイドカフェのバイトを減らすことにした。
『また来るね』
そう言った、あのアイドル君のことが、時折、頭に浮かぶけれど………。
恋だ、愛だと、言ってる場合じゃない。
今は、私自身を磨くために、頑張らなきゃ!