• テキストサイズ

【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第5章 私立リアリン学園!序章




私達はそれから、今までを埋めるかのように、しゃべり通しだった。

結衣の研修期間の話には、チラホラと有名人の名前が出てくるので、興奮しっぱなしだ。

新人記者なんて、ただの使いっぱだけどね………と言いながらも、結衣は、華やかな現場での仕事を楽しんでいるようだ。

対して、私は、あまり代わり映えのない日常と、今日の出来事をそれなりにおもしろおかしく話してみた。



「え~?私もそのアイドル君に会ってみたかったなあ。つか、スカウトしちゃうよ!」

結衣が、おどけて言う。

………スカウト、か。

でも、本当に、街のどこかで絶対スカウトされてそうだな。

―――あんなカワイイ男のコと並んで歩いたら、楽しいだろうな。

二人でアイスクリーム食べながらショッピング、とか………。

周りの女のコ達が振り返って、羨ましそうに私を見てたり、とかね。

なんて。

そんな想像をして、頬が緩んでいく。



「ねえ、マイン。言っておくけど、そのアイドル君は、やめといた方がいいよ」

「え?」

唐突にそう言われて、妙な声を上げてしまう。

………考えてたこと、読まれた?



「もうちょっと、堅実な路線の方がいいんじゃない?」



「………いや、別に、会う約束したわけじゃないし。また来るねっては言ってくれたけど、本当に来るかどうかもわからないし。だから、もう会うこともないかも、なんだよ?カワイイなっては思ったけど、ただ、それだけで………好きとか、そんなんじゃないから!」



私は、妙に言い訳がましく、まくし立てる。



「………ふーん。それならいいけど?」



結衣は、グラスのビールを飲みほすと、冷酒の瓶を取り出す。

私もつられてビールを飲み終え。

繊細な彫刻が美しい、口広がりな小ぶりのグラスに日本酒を注いでいく。

二人で、小さく乾杯をして。

爽やかな香りと、滑らかな喉ごしの日本酒を堪能する。







/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp