• テキストサイズ

【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第5章 私立リアリン学園!序章




~温泉旅館にて~





「あー、マイン、やっと来た~~」

中居さんに案内されて部屋に入ると、結衣は、もう浴衣に着替えていて、縁側で涼んでいる。

「露天風呂、気持ち良かったよー。後で入りに行こうね!」

結衣は、ちょうどお風呂あがりなのか、頬を赤くして手で顔まわりをパタパタと扇いでいる。

私は、部屋を見渡しながら、奥へと進む。

広くて趣きのある、純和風の部屋。

床の間には、立派な掛け軸もかけてあって。

窓の外には、控えめにライトアップされている見事な日本庭園が広がっている。

ボストンバッグを隅に置き、結衣の正面の椅子に座る。

部屋に数人の中居さんがお膳を運んできて、迅速に夕食の準備が整えられていく―――。



「………ほんっとに、お高そうなんだけどー」

私は、小声で結衣に言う。

「お高いよ~~。………なあんて。仕事で借りたついでだから、割引してもらったんだ。じゃなきゃ、泊まれないよ」

結衣は、キャラキャラと笑う。

「彼氏、呼べばよかったのに」

「奴、仕事。平日に暇してるのなんて、マインぐらいしか、いないって」

「………あっそ」

確かに、そうだけど、ね。

「なんてね。ほら、マインと約束してた卒業旅行も行けなかったから。代わりに、と思ってさ」

あ………そっか。

あの時、私は就職も決まってなかったし、結衣は結衣で、少しでも早く覚えたいからと仕事を始めていて、忙しかったから………。

結衣の気遣いを知って、改めて、こうして結衣と過ごせることがものすごく嬉しいと感じた―――。





夕食の用意が整うと、中居さんが、ごゆっくり、と一礼して、襖を閉めた。

「うっわ。すごい、ご馳走!」

私と結衣は、喜びの声をあげる。

アワビにサザエ、伊勢海老と豪華な舟盛り。

フツフツと湯気を上げていく昆布ダシのお鍋の横には、霜降り肉が置かれていて。

添えられているいくつもの小鉢は、旬の素材や野菜で彩り豊かだ。

瓶ビールをお互いグラスに注ぎあって。

遅めの夕食が始まった。



「乾杯~~!」



乾ききった喉に、空いたお腹に、ビールは程よく染み込んでいく―――。







/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp