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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第5章 私立リアリン学園!序章




と、背後から低い声が聞こえて、思わず聞き耳を立ててしまう。

「なんで、あんたが来るんだよ」

反対側のホームで新幹線を待っているであろう男の人が、不機嫌そうにそう呟いている。

「かわいい弟の旅立ちを見送りに来るって普通だと思うけど?」

もう一人の人が、明るい声でそう答える。

………兄弟なんだ。

私は、思わずそちらを振り向くと。



小ぶりのボストンバッグを持った弟君は、ムスっとした表情で立っている。

そのすぐ前に、明るい髪色のお兄さんは、対照的な笑顔。

―――見た目は似てないけど。

あ、でも、緋色の瞳が同じだ!



「何」



弟君と、パッと目が合ってしまった。

つい、じっと見過ぎちゃった………。



「あ、あの、せっかくお兄さんが見送りに来てくれたのに、ちょっと言い方が冷たいんじゃないかなって………」



しどろもどろになりながらも、そう言ってしまう。



「あんたに関係ないんだけど」



………やっぱりな、冷たい返答。



「せっかく仲裁に入ってくれたのに、そんな言い方ないんじゃない?」



お兄さんが、なだめるように優しく口をはさむ。



「あんたも関係ない」



容赦ない弟君の一言。

場の雰囲気が、すごく悪くなってしまったと感じて………私は、今さらながら、余計なことを言ってしまったことに後悔する。



「あ、あの、ごめんなさい。ほんと、私、関係ないのに………」



私は、必死で頭を下げる。



「別に謝る必要ない。………旅立ちとか、大げさだから。たかだか三日留守にするだけ」



「え、そうなの?」



私は、顔を上げて、兄弟二人の顔を交互に見る。



「………来てるけど」



「へ?」



「乗んないの?もう発車するけど」



弟君が後ろを指差すので、振り返る。

と。

いつのまにか、私の乗る新幹線が、ホームに来ていて。

出発の合図が鳴り響いていた―――。







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