第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
と、窓際に向かい合って立っているユーリとオザワセー部長の姿が目に入った。
必死に何か頼み込んでいる部長。困りきった表情のユーリ。
………また、何かあったな。
関わらないようにしよう―――目を逸らし、準備室に逃げ込もうとしたけれど、時すでに遅かった。
「あ、部長、レイヴィス様来たよ!じゃあ、俺、もう帰らないと」
俺を見つけて、ほっとした表情を浮かべ、一目散にこちらへと駆け寄ってきた。
それから、俺の肩越しに顔を寄せてきて―――。
「本っっ当~に、お願いしますよ?」
眉間にシワを寄せ、いつになく険しい顔つきのユーリは、低く鋭い口調で、そう囁いた。
いや、これは、囁きというより、強い念押しだ。
「レイヴィス様、後よろしく~~。じゃっ、お先で~す!」
と、すぐにいつもの明るい笑顔に戻り、得意のウィンクをして、風のように去って行った。
辺りには、不穏な空気が漂っている。
ため息つきつつ、仕方なくオザワセー部長の方に向き直る。
見ると、その場に立ち尽くしている彼は、握り締めた両の拳をブルブルと震わせている。
それから―――目には、今にも溢れ出しそうなほどの涙をたたえていて………。
―――厄介だ。
もう一度、ため息をつく。