第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
西日が窓に反射していて、あまりの眩しさに目を細める。
キリのいい所で練習が終わり、楽器を片付けに、三々五々音楽室へと向かう。
行く方向が一緒だから、いつもなら混むのが嫌で、さっさとホールを後にしていたけれど―――。
なんとなく足を止めて周りを見渡す。
チューバの体格のいい一年生が、楽器スタンドを前にガチャガチャとやっている。
何か、焦ってる様子だ。
「どうかした」
「あ、レイヴィス先輩。スタンドを曲げちゃってネジが外れてしまって………小さくて、うまく入らないんです」
「見せて」
もう一度、支柱の曲がりを確認しながら、グッと捻るように直している。まっすぐに戻ったことを確認すると、スタンドとネジをおずおずと渡してきた。
代わりにネジを止めてやる。
「ありがとうございます」
チューバに譜面台に楽譜と、手いっぱいそうなので、楽器スタンドを持ってやることにして、並んで音楽室へと歩き出した。