第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
「ありがと。楽しみ………あっ、と、でも今借りてる本あるんだよね。早く読み終わらないと」
「借りてる本?」
「うん、これ」
そう言って、一冊の本を手にし、すっと目の前にかざしてみせた。
「競技かるた入門?何、かるたに興味あるの?」
「かるた部の顧問なの」
「かるた部?そんな部あったんだ」
「それ、皆に言われる」
マインは、クスクスと笑いながら本をしまい、代わりに日本史の教科書を取り出す。
「かるたって、百人一首?」
かるたについては、よく知らない。けど、マインとの会話を終わらせたくなかった。なんとなく、そう思った。だから、聞き返してみた。
「よく知ってるね。私は初め、『犬も歩けば棒にあたる』ってのかなって。でも、これは、ことわざかるただって。アルバートに鋭く指摘されちゃった」
「アルバート?」
「かるた部なの。さっきの本もアルバートが貸してくれたんだ」
マインは、何の気なしにそう話しながら、補習の準備をしている。
………アルバート=ブルクハルトか。二年一組、隣りのクラスだ。
そういえば、何日か前、停学になってたな………それって、いつだった?