第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
どうかしてる―――。
おかしな考えを振りほどくように首を振り、マインの手元に視線を向ける。
さっきから、小さく音楽が鳴り続けている。どうやらマインの持っているスマホから聞こえているようだ。
「あのね、このオーケストラの指揮者、リアリン学園の音楽科出身なんだって!」
明るいスマホの画面を差し出される。その動画に目を向けると、今話題の新進気鋭の管弦楽団が演奏している風景が映し出されている。
「………このバイオリニストも音楽科。あと、この人も」
見覚えのある奏者を指差していく。
「え、そうなんだ!やっぱり、うちの音楽科ってすごいんだね!こういう情報って、なかなか出てこないんだよねえ。もっとわかりやすく検索とかできるといいのにな」
「四季報貸そうか?」
「四季報?」
「リアリン学園音楽科四季報。音楽科の生徒に毎年配布されてる。オケ部に入部した時、もらった。確か、卒業生の活躍とか載ってたはず」
黒革のカバーのついた、そこそこの厚みをもった四季報。オザワセー部長から特別にと、もらったことを思い出す。あれきり本棚のどこかに放置したままだ。こんなところで役に立つとは。