第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
そして、今。進路指導室の前―――。
初めての補習の時も、こうして、このドアの前に立ち、今と同じように一呼吸した。
補習なんて面倒だ、毎回そう思いながら来ていたはずなのに………いつのまにか、この時間を心待ちしている自分に気づく。
勉強に来てるのだ、楽しいわけがない。それなのに、どういう心境の変化だ?
マインは、教師になりたてだというのに、思っていた以上に教え方がうまい。この調子だと、両科目とも満点を取る可能性だってありえる。
『わかる』が実感できると嬉しいものだ。だから補習を受けることに充実感がある。多分、そういうことだ。
コン、コン。
ノックとともに、ドアを開ける。
部屋の中で発せられたマインの短い返事が、かき消された。
「いつも早いね」
奥の席に座っていたマインは、顔を上げて笑顔を見せる。
その顔は、一点の曇りもない、眩しい太陽そのものだ―――。
………って、何だ、この例え。太陽のような笑顔って、どこからそんな発想になるんだ?
ガリガリと、かきむしるように頭をかく。