第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
マインとは、転入初日に生徒会室で会った。
顧問に就任してまだそんなに経っていなかっただろう。それなのに、こんなに早く辞めさせれるのは不本意だったようで、顧問をおろされてムキになってた姿が思い出される。
気の毒だとは思ったけど、アーサーの決定は絶対だ。俺だって、生徒会役員になることが転入の条件の一つだった。生徒会活動なんて煩わしいだけだが、従わざるを得なかった。
そんな中、マインの視線が俺に向けられていることに気づいた。
………コイツ、なんで、じっと見てるんだ?
目を合わせないように注意しながら、マインを見やる。
―――知り合い、ではないな。どこかで会ったことがある?
少し考えて、あっ、と思いついた。
夏に、夜警団の講演会帰りに道を教えてやった。
あの日、懇親会と称した飲み会に温泉――――それとなく辞退して、宿を後にしたところに出会ったのが、マインだった。
外はもう宵闇が迫っていて、こんな時間だというのに、いかにも危なっかしい様子で地図片手にウロウロしていた。
そのうち、変なのに声掛けられるんじゃないかとなぜか心配になって、さり気なく近づいたら、向こうから道を聞いてきたのだ。
地図を逆さまに見ているというのに、それなりに進んでいた。つまり、それだけひどい方向音痴だってこと。ちゃんと地図見てたら、まったく違う方向に行ってただろうな。
あの時のことを覚えているのだろうか?俺だって気づいたのか?
………いや、気づいてないだろうな。