第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
「そんなの、子どもと一緒だよ!私だってつい、思ったことそのまま言っちゃうけどね、今みたいにね。でも、相手の立場とか考えとか常に思いやって伝えることが大事なんだよ。それが、大人なんだ。言いたいこと我慢する必要はない。けど、摩擦が起きないように言葉は選べるよね?」
「ちょっと待った。なんか………俺の方が説教されてる気分なんだけど?」
「説教してるんだよっ。オケのメンバーに対しての態度、あれ何?オケで大事なことって何?」
「何って………」
レイヴィスは、私の剣幕に気後れしているようだ。
「ああ、ごめん、つい興奮しちゃった。あのね、大事なのは信頼関係なんだよ。そして、それ、レイヴィスもちゃんとわかってる。なのに、なんでそれ、素直に表に出せないかなあ」
「あのさ、本題逸れてない?」
「逸れてない。これが本題っ」
自分でも不自然に逸らしたなとは思うけれど、心の中にくすぶっていた思いを伝える絶好のチャンスだ。
「あのね、先生から、いいこと教えてあげる。『ほめて伸ばす』だよ」
「………ほめて伸ばす?」