第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
私、多分、間違えてない。
本当は音楽科に編入したかったはず。けれど、この学園の音楽科は、プロを目指すためのもの。そこへ編入するのは、立場上無理だったのかも。
この学園は、普通の学校とは違う。誰もが自由に、夢に向かって羽ばたいていけるわけではない。そんな夢さえも見ることができない、生まれた時から決められた道を歩まざるを得ない生徒の方が、圧倒的に多いだろう。
私は、道を外れて自分の思う通りに行けと、無責任に勧められる立場ではないのだ。
そう気づいて―――。
気づくのが遅かった。余計なことを言った、どうしよう、踏み込みすぎた―――。
いたたまれなくて、俯く。
「ごめ………」
「謝らなくていい」
すかさず、レイヴィスに言葉を奪われる。
「そんなの、お前らしくない。言いたいこと言えよ。それが、お前なんだろ」
「でも………」
「俺もそうする。誰にも、何にも、気にしないで思ったことを言いたいように言う。今までそうしてきた」
「………も、だよ」
「何?」
ギュッと両の拳を握り締め、思い立って顔を上げる。
そうして、意を決して言葉を紡ぐ。