第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
「いつからいたの?全然気づかなった。私達の話、聞こえてた?」
「入口からここまで歩いて来る間に丸聞こえ。人の噂話する時は、もう少し声潜めたら?」
………やっぱり、聞かれてたんだ。けど、聞かれて困る話はしてないから、開き直って言い返す。
「ほめてたんだよ。悪口じゃないからいいじゃん!」
そんな私をチラリと見、目が合ったかと思うと、すぐに顔を逸らされる。
「ユーリ、部長が探してた」
「あ、やばっ、そうだった!はいはーい、すぐ行く!」
ユーリは、ウィンクしながら手を振って、急いで走り去って行った。
―――ユーリがホールから出て行った後、そっと見上げると、いつもの冷めた目をしてこちらを見ていた。
さっきまでユーリがいたから、和やかだったけど………ずっと冷ややかな雰囲気が醸し出されていて、なんだか気まずい。
「今度は、オケ部探ってるの?」
「探ってるって………そんなわけないでしょ。気になったから見に来ただけ」
「気になったって、何が?」
「レイヴィスが、また、なんか………その、昨日みたいなゴタゴタになってないか心配だったから」