第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
「じゃあ、一緒に食べようか」
心の中でそんな葛藤をしていることなどつゆ知らず、ふわりと柔らかい笑顔を向けてそんな提案をしてくる。
この様子じゃ、持って帰っても持て余すだけだろうし、一緒に食べるってのは、いい考えかも―――。
二人で宝石箱のような蓋を開けて、中を覗き込む。
「うわぁ」
コロンと丸い小さなチョコレートが三粒、黒く光り輝いている。見るからに高級感漂うその佇まいに、心が浮き立っていく。
「じゃあ、いただきます」
ゆっくりとつまんで口へと運ぶ。
チョコレートはすぐに舌の上でとろけ、口いっぱいに極上の甘さと香りが広がっていく。
「ん~、美味しいっ」
「マイン先生って、美味しそうに食べるんだね」
「だって美味しいんだもん。ユーリも食べてみたら?」
「うん………ね、マイン先生、これ、もう一個どうぞ」
一粒摘むと、残りの一粒が入った箱を差し出されたので、少しためらったけど、もらうことにする。
「本当だ。美味しいね」
モグモグと口を動かしながら、ユーリも嬉しそうに目を細めている。