第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
放課後になり、誰もいない進路指導室で明日の授業の準備を進めている。
補習を休みにしたから、ここにいる必要はないのだけど、職員室でジル教頭に見つかれば、事情を聞かれる羽目になるだろう。それも面倒なので、ここで、こうして時間を潰すことにしたのだ。
レイヴィスは今、あのオケ部のメンバーと共に練習しているのだろうか。
いつも練習があるから、早く補習を終えたかったんだね。そう言ってくれればよかったのに。
きっと、『お前がどこで何をしているか関心ないから、俺のことも詮索するな』といったところなんだろうね。
まだかすかに痛みの残る額に、そっと触れる。
ここに、レイヴィスの人差し指が触れたんだっけ―――。
………なんて、何、ほんわかしてるのよっ。
それよりも、昨日のオーケストラの気まずい空気感といったらなかった。
レイヴィスは、皆とうまくいってないのかな。
転入生ってのは、得てしてそういうものだよね。ましてや、皆より上手いときたら、妬まれてもおかしくない。
私が帰った後にも何かあったのかな?そうでなければ補習を休みにする理由ないよね?
そんなことを考えていたら、気になって仕方なくなってしまった。
いたたまれなくなって、急いで鞄に教科書やノートをしまい、進路指導室を後にした。