第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
ホールにたどり着くと、昨日は見落としていたけれど、扉の横に、第一音楽堂と書かれた小さなプレートがついていた。
第一ってことは、第二、第三もあるのかな?いや、あるだろうな。この学園の規模は計り知れないからね。
ゆっくりと扉を開けていく。
と、予想に反して、そこはガランとしていて、誰の姿もなかった。
あれえ?
今日も練習あるんだよね?
―――今朝のレイヴィスを思い出す。
『今日、補習出られない。明日からは、ちゃんと受けるから』
そう言ったのだ。休む理由は言ってなかったね。つまり、私が勝手に解釈しただけだったのか。
じゃあ、オーケストラとは別の用件があるってことなのかな………。
ためらいながら、まっすぐに歩き出す。
カツン、カツン。
静かなホールに、靴音だけが聞こえる。
ステージのすぐ前で立ち止まり、端の階段を登っていく。
その奥を覗いてみるけれど、やはり誰もいない。
練習自体が休みなのかな?
その考えに思い至って、大きなため息をつく。せっかく来たのになあ。