第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
「それは、私も思うけど………」
自分に有益な方につくと口では言っていたけれど、間違った方向に加担するような人でないと確信できる。でも、相手は、あのアーサーだ。何をするかわかったものではない。
「そんな心配してねえで、自分の心配しろ。お前は、もう動くな。俺がぶっ潰してやる」
シドは、立ち上がって校舎と校舎の隙間に入っていく。奥に置いてある棚の中に猫缶が入っているのだ。
「このまま黙ってなんかいられないよ。私も何かしたい」
アーサーの言うような、情報屋に丸投げして、おしまいにするつもりはない。
猫缶を両手に持って戻ってきたシドを手伝おうと立ち上がり、手を伸ばす。
けれど、渡してはくれない。
「これ以上、クビ突っ込むな。これは俺の仕事だ」
キンコンカンコン~ ♪
と、三時間目の終わりを告げるチャイムが鳴りだした。
もう行かないと―――。
「シドは、『攘夷派』なんだね。それなら、私は坂本龍馬になるよ」
「あ?」
「チャイム鳴ったから行くね。猫ちゃんによろしく」
時間を気にしながら、振り返ることなく非常口から校舎に入る。
マインが去った後―――。
残されたシドは、猫缶を空高く放り投げ、キャッチする。
「坂本龍馬、ね。おもしれえ」