第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
三時間目の授業が始まってから、もうずいぶん経とうとしている。
隣り合わせで石畳に腰掛け、これまでにあったすべての出来事を包み隠さず、シドに打ち明けた。
黒崎のメール、伯爵のパソコン、アーサーとの会話。アルバートの停学理由………。
「明日にはアルバートの停学が解けるから、元通りになるけど。気がかりなのは、リアリン学園長が監禁っていうか軟禁されてることだよね。豪華なホテル住まいとは言っていたけど、実際はどうかわからないし」
学園を譲渡する契約にサインを強要するための軟禁だ。いつまでもサインをしないままなら、強硬手段に出るかもしれない。
「それなら心配ねえ。だいたいの目星はついてる」
「え、どこにいるか知ってるの?」
「俺を誰だと思ってる」
驚いてシドを見る。そうか、ずっと学園を空けていたのは、リアリン学園長を探していたんだね。
それから………これは、関係ないと思うけど、レイヴィスとアーサーのことも一応話しておく。
「レイヴィスは、アーサーのおかげで学園に入れたわけだから恩を感じてるんだよ。だから、それを理由に利用されるかもしれない」
「アイツは誰かに利用されるようなヤツじゃねえ」
………その口ぶりは、レイヴィスをよく知っているといった感じだ。転校してきたばかりなのにね。しっかり調べているんだろうな。さすが情報屋。