第29章 私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~
「そうだよ。何だと思ったの?」
「黒崎のファンかと」
「はあ?ファン?そんなわけないでしょ!?」
「………冗談はさておき。確認ですが、黒崎が怪しいというのには、なにか根拠があるのですか?」
「根拠?だって、アイツが一番怪しいじゃん?いかにも悪そうだし」
「それだけで、黒崎を疑ってるのですか?」
セバスチャンは、呆れたように大げさにため息をつく。
「えっと」
どう答えていいかわからなくて、ガリガリと頭をかく。
「では、質問を変えます。リアリン学園長が、濡れ衣を着せられたと思う理由は?」
「それは、リアリン学園長が無実だから」
「どうして、そう言い切れるのですか?」
「どうしてって………警察に連れて行かれる時に、私いたのね、その時、リアリン学園長が『これだけは信じて欲しい。私は潔白だ』って言ったんだ。だから」
「その言葉を、そのまま信じているのですか?」
「え?うん。だって潔白だって言いきったんだよ?」
「普通、犯罪者が簡単に罪を認めると思いますか?」
「うーん………思わないけど。でも無実の人は、『私は、やってない!』って、だいだい叫ぶよね」
「あなたは、リアリン学園長をどれだけ知っているのですか?」
リアリン学園長か。
この学園の初日に挨拶した。後は、生徒総会の時、壇上で話しているのを聞いた。それから、シドの件で呼び出された時、話した程度だ。
「たいして知らないけど。悪いことするような人に見えないし」