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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第29章 私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~




部屋のドアを開けると、途端に窓からの風が、すごい勢いで抜けていった。

うっわ、風の通りが良過ぎるっ。

机の上に置かれた小さな花瓶が横倒しになってしまった。

急いでドアを閉める。

コルクボードのピンが緩んで外れて転がった。そこに留められていたチケットが、ハラリと机の上に落ちた。



………濡れちゃうっ。

そう思った時には、すでに遅くて。

チケットは、花瓶からこぼれた水の上に浸ってしまった。



大変!

アーサーの電話番号が、水に滲んで見えなくなっちゃう!



ヒョイとつまみあげて、無事を確認する。

あ、よかった。セーフ。

チケットに書かれた番号は、しっかり、はっきり、読み取れる。

スマホに登録すればいいんだろうけど、いまだにしていない。

なんでか、簡単に電話できるような状況にしては、いけないような気がして―――。



このチケットが、私とアーサーを引き合わせた。

『雨のせいでインクが滲んじゃっててさー、6が8に見えるんだよね』

私の席は、A-8だった。アーサーと伯爵の席がA-6とA-7で。

インクが滲んで、A-6がA-8に見えたって………。

『ゴメンね、俺の勘違い』

あの時のアーサーの笑顔、何度も思い出しちゃう。



あ、なんか。

やだ。どうしよう。



私、また身体が火照ってきた―――。







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