第29章 私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~
「私も残る!」
とっさに、声を上げる。
不安そうな顔をしているミシェルを放っておけない。
「マイン、そんなに俺と一緒にいたいの?」
アーサーが、嬉しそうにニッと笑う。
「はぁ?違うよっ!顧問として、生徒会に残るって言ってるの!」
「生徒会の顧問は、俺。一部署に顧問は、原則一人って決まってるんだよね。んー、そうだ。校則変えて、マインが俺と一緒にいられるようにしてあげてもいいよ?」
「一緒にいたいわけじゃないってば!私は………」
「うん、わかった。後で、ゆ~っくり聞いてアゲルからさ。イイ子で待ってて?」
「………っ」
茶化すような言葉だけれど、有無を言わせない絶対的なアーサーのその態度に、黙るしかなかった。
「マイン先生、行こう」
レオが私の耳元で静かにそう言って立ち上がったので、それに続く。
カイン、アルバート、レオの三人と共に、生徒会室を出る。
カインとアルバートは少し前を、私とレオは並んでその後ろを無言で歩いていた。
階段を降りきったところで、カインが呟く。
「気に入らねえヤツ」
「あの顧問、一癖ありますね」
「マイン先生とは、ずいぶん親しいみたいだね。知り合い?」
「うん………まあ」
レオの問いに、曖昧な返事をする。