第29章 私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~
~生徒会室~
放課後。
生徒会室には、もうすでにメンバーは揃っていた。レオの隣りのいつもの席に座る。
「ね、リアリン学園長の横領疑惑って聞いたけど。マイン先生、他に何か知ってる?」
早速、レオに聞かれる。他の皆も、私の答えを待っているようで身を乗りだしてくる。
「詳しいことは、私も何も知らないんだ。期待に応えられなくてゴメンね。でもね、今朝………」
学園長が警察に連れて行かれたこと、潔白だと言っていたことを話そうとした時―――。
「コンコーン、お話し中のトコ、悪いねー」
ガチャリと盛大にドアが開き、アーサーが入って来た。その後ろには、三人の見慣れない生徒がいる。
「皆さんお揃いで。それでは、今から生徒会メンバー総入れ替え~~」
アーサーがゲームでも始めるかのように、楽しそうに声を張り上げる。
………生徒会メンバー総入れ替えって、何?
レオと顔を見合わる。
「どういうつもりだ。勝手なことは許さない」
正面に座っているゼノ様の低くて静かな声には、怒りが滲んでいる。
「おっと、安心して。ゼノ様には、もちろん今までどおり生徒会長でいてもらうからさ。3年1組、ゼノ=ジェラルド、シュタイン王国の時期国王様だよね?お初にお目にかかります。俺、アーサー・コナン・ドイル。以後、お見知りおきを」
ゼノ様は表情を変えることなく、バカ丁寧に挨拶をするアーサーを見据えている。
と、ゼノ様が、何かに驚いたようで、僅かに目を見開く。