第29章 私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~
「ホント、マインって、カワイイね」
ツンと、頬を突かれる。
ピクンッ。
思わず、身体を震わせる。
そんなふうに触れられたら、私―――。
「おい、そこでイチャコラやってんじゃねえよ!練習の邪魔だ!!」
突然、カインに怒鳴られて、ハッとする。
いつのまにかピアノも止んでいて、ステージ上の生徒達が、一斉にこちらを見ていることに気づく。
み、見られてたのっ!?恥ずかしい~~っ。
と、ルイと目が合う。
じっと見つめられているのを感じる―――。
けれど、その視線に耐えられずに、すぐに顔を逸らす。
「俺は、退散した方がよさそうだ。じゃ、またね」
アーサーは首をすくめながら、すぐにホールから出て行った。
深いため息をつきながら、自身を抱きしめるように、両腕に手を回す。
身体が火照って仕方ない。
私、どうにかなってしまいそう―――。
アーサーに対する、熱く湧き上がった感情を持て余して、また、深いため息をついた。