第29章 私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~
「何?そんなに顔、真っ赤にして。その後のコト、想像しちゃった?」
すぐ目の前で、イタズラっぽい笑みが広がる。
その魅惑的な表情に、こんなにも惹きつけられてしまうなんて。
もう何も言葉にならなくて、ただ、コクンと喉を鳴らす。
「俺に電話してくれてたら、マインの望むコト、全部シテあげたよ?」
………っ!
私の望むコト。それって―――。
あの夜、チケット片手に番号を押そうとして、思いとどまった。
だって。
あの時の私はひどく興奮していた。アーサーの声を聞いたら、理性が吹き飛んでしまいそうだった。
―――抱いて欲しくて、たまらなかった。
………それさえも、お見通しなの?
吹き荒れる嵐のように、めちゃくちゃに心をかき乱されているようだ。
―――この人に隠し事は、できそうにない。
このままだと、あの晩、ルイとアーサーを交互に思い浮かべながら何度もイったコトまで暴かれてしまいそう………。
思い出すと、顔から火が噴き出そうなほどだ。