第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
注文していた料理が、次々にテーブルに並んでいく。
「どれも美味しそうだね」
一人一皿ずつの食事と違って、こうした何品かの小皿料理だと一緒に食べることになるから、よっぽど仲良くないと気を遣うものだ。
ぎこちなく取り皿に取り分けると、ルイが上品な仕草で口へ運ぶ。
「美味しい」
フワリと笑うルイ。
「ほんとだ。美味しいね」
そうして、気づく。
逆にこうやって同じお皿の物を分けて食べるって、より、距離が縮まるんだって………。
んっ………と、軽く伸びをするルイ。
「疲れてる?」
「いや、大丈夫。なんかここ、落ち着くね。マインが、隣りにいるからかな」
………っ!
サラッと、今、すごいこと言ったよね?
「あ、ねえ、音楽会さ、思ってたよりずっと大規模でレベル高くて驚いちゃった」
ごまかすように音楽会の話題をふる。
「この音楽会でスカウトされて、プロデビューすることもあるくらいだから」
スカウトか。
伯爵とアーサーが、そんな感じだったな。
「ルイのこと皆、褒めてたよ。あと、ハルナイト大公って人のことも………その、身分の高い人達が集まってるって感じ、なのかな」
ずっと気になっていた疑問を、それとなく口にする。
プロの演奏会でないというのに、あの華やかさは、ある意味特殊で、独特の雰囲気があった。
それは、『上流階級』の人々の集まりだからだろうか。