第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
「芽瑠先生って、若いよね。彼氏と~なんてさ。あれ?なんか、結構、年配な人って印象だったけど、違ったね?」
「違ってないよ。定年近かったし。学園では一番の年長者だった」
「気持ちが若いってことかな」
「結構、破天荒な先生だったしね。それで、芽瑠先生のオススメのメニューはどれ?」
もう一度、二人でメニューを覗く。
肩が、触れそうだよ―――。
「えっとね、あ、これ、美味しそう!」
慌ててメニューに目を走らせる。
「うん………それと、これ」
料理を選んでいると、店員がビールを運んできた。
「お待たせいたしました」
よく冷えたグラスに、クリーミィーな泡と黄金色のビールが絶妙なバランスで注がれている。
「音楽会、お疲れ様。乾杯」
「乾杯」
二人でグラスをカチンと合わせる。
キンッと冷たく苦味のあるビールは、心地よく乾いた喉を潤していく。
「美味しいっ!」
「マインは、飲める方なんだね?」
ゆっくりと一口飲んだルイが、半分ほど飲み干した私のグラスを指差す。
「飲むのは好きだよ。けど、あんまり強い方じゃないんだ。だから、つい飲みすぎちゃって失敗しちゃうんだよね」
「失敗って………朝起きたら、知らない男の部屋だったり、とか?」
唐突なルイのその言葉に、ビールを吹き出してしまいそうになる。