第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
「ビールでいい?」
ルイの言葉に、ハッとする。
「うん。あ、でもさ、リアリンマートでは、飲酒用のアルコールは置いてないよね。学園内では、飲酒禁止だもんね?」
「初等部や中等部もあるからね。基本、学園では禁止だよ。それに、高等部でも一年生が、まだ飲酒年齢に達してないからね」
「そうなんだ」
「ジル教頭から聞いてない? マインは、もう該当しないから、わざわざ話すことでもないのか」
ルイが近くの店員に声をかけ、ビールを注文する。
少しすると、店内に「いらっしゃいませ」の声が溢れる。
次の客が来たようだ。
「よかったあ。まだカップルシート空いてたあ~♪」
隣りのソファに案内されたようで、女のコのはしゃいだ声が聞こえる。
カップルシート………?
もう一度、グルリと辺りを見回す。
確かに、この個室感。別名、カップルシートって納得。
あ、そういえば!
「どうかした?」
何か思いついた的態度の私を、不思議に思ってルイが首を傾げる。
「あのねえ、芽瑠先生のコメントに、『今度は絶対、彼氏と来たい!!!』ってあったの。きっと、カップルシートに座りたかったんだなって思って」
そう話して。
自分が、今、そのカップルシートに座っていることに気づく。
それも、ルイと―――。
「俺たちも座れてよかったね」
「え………あ、う、ん」
うっわ。なんだか、すっごく恥ずかしい~~っ。
ルイもそう思ったようで、頬がうっすらと赤く染まっている。