第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
闇雲に探しても、見つかるわけがない。
頭を使え、名探偵!
………何か、手がかりはないかな?
たとえば、シドが行きそうな所とか。
困った時に頼れる人が、この街にいるはずだよね?
そうは言っても私自身が、シドに関して知らないことだらけだから、どうにもならない。
シドの知り合いか………。
あっ!
そうだ、あのカフェ!
店主は、シドを知っていた。
それに、土曜の午後に、あれだけ人のいないカフェって変だよね。
きっと、表向きは普通のカフェで、ワルが裏の商談とかに使う店なんだよ!
そうやって、またワル説を引っ張り出して自分を奮い立たせ、急いでカフェへと戻ってみる―――。
カランッ。
カフェの入口のドアを、勢いよく開ける。
「いらっしゃいませ」
さっきと同じ初老の店主が、穏やかな笑みを浮かべて、こちらを見ている。
店内には、さっきと違って、まばらながらもお客さんの姿があり、のんびりとコーヒーを飲んでいる。
いたって普通のカフェだ。
あ、あれ?裏の商談って雰囲気は、どうした?
………と、そんな場合じゃない!
「あのっ!」