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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~




人々は楽しげに行き交い、子ども達が駆け回っている。

この街がいかに平和で豊かであるということが、少し見ただけでわかる。

犯罪なんかと無縁に思える。

実際、この街が悪いニュースで取り上げられたことなど今までにない。

シドを尾けていた男も、身なりが良かったし。

あの人、単にシドに用があっただけ、とか。

この街に不釣り合いなワルっぽいシドを警戒して、距離を置いて見ていたのかも。

そんなふうに、いい方に解釈して、自分の中に沸き起こっている胸騒ぎを払拭しようとする。

それでも、探すのをやめるわけには、いかなかった。

どこかに絶対に、シドがいる。

どうしても、無事を確かめたい―――。





辺りは、ずいぶん暗くなっていた。

かなり時間は経ったけれど、日没には、まだ早い。

空を仰ぎ見ると、雲が流れている。

いつのまにか厚い雲にどんどんと覆われていき、今にも雨が落ちてきそうな勢いだ。



今日、雨の予報だったっけ?

傘なんて持ってない。

なんて日だ!

降り出す前に、シドを見つけて学園に帰ろう―――。



ポツン。



小さく頬に雫があたった。

もう一度、空を見上げ片手をかざしてみるけれど、次の雨粒は、まだ落ちてこない。

そうしていると、思い出したようにポツリと手の平が濡れた。







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