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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~




私は、慌てて歩きだす。

けれど。

すぐ目の前の信号が、無情にも赤に変わる。

シドの姿はもう見えない。

男の後ろ姿を目で追い、ヤキモキしながら、信号が変わるのを待つ。



あ、角を曲がった!

青になり、すぐに走って角を曲がる。

けれど、もうそこには、あの男の姿はなく………当然、シドもいない。



うまく逃げられたかな。

シドのことだから、あの男をやっつけたかもしれない。



………迷ったけれど、もう一度シドに電話をしてみる。



トゥルルル、トゥルルル………。



次は、何度コールしても出ない。

かけ直しても、つながる気配はない。



ドクン、ドクン………。

コール音と重なるように、心臓の音が高く響いていく。

胸騒ぎがする―――。



どうしよう。

シドを、探さなきゃ!



初めての何も知らないこの広い街で、一体どうやってシドを探せばいいのだろう―――。

無謀なのは、わかっている。

だけど、このまま何もせずに帰るなんてできない。



私は、なるべく裏通りを歩き回ることにした。

ワルは、大通りなんか歩かないよね。

こういう薄暗いトコにいるのが定番―――。



そう思っていたけれど。

予想に反して、裏通りも綺麗に整備されている。

賑やかさはないけれど、危ない雰囲気なんか微塵もない。

いかにも都心の一軒家といった感じの、申し訳程度の庭がついた家が隙間なく立ち並んでいる。

こじんまりとした家々は、個性的な色とりどりの屋根と外壁で『自分の城』を主張している。







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