第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
シドが足を止めた。
すぐ脇にあるゴミ箱に、手にしていたカラのカップをポイと捨てて、また歩きだす。
すると、男も歩きだした―――。
………まさか、シドを尾行してる?
どうしよう、知らせなきゃ!
急いでバッグの中から、スマホを取り出す。
と、同時に、呼び出し音が鳴り出す。
シドからだ。
『お前、後は一人で大丈夫だよな』
「え?」
『俺は、用事ができた。気をつけて帰れ』
それだけ言うと、すぐに電話は切れた。
ちょっとぉ、こっちだって話したいことあるのに!
急いでコールバックする。
トゥルルル、トゥルルル………。
『何だ』
「あのね、誰かがシドを尾けてる!」
『ああ、気づいてた。相手は一人で、お前のことは範疇に入ってねえから、気にすんな』
「気にすんなって………そういう問題じゃ」
『切るぞ』
………自分が尾けられてるって気づいたから、私に電話して警告してきたんだよね。
『時には、危険をも伴いますので』………ジル教頭の言葉が思い浮かぶ。
今のこの状況って、かなり危険だよね?
関与するなって言われたし、それ、守ろうと思ってたけど………やっぱり、放っておけないっ!