第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
~捜索~
街は、活気に溢れていて、人々の話す声や笑い声が絶えない。
小さなお店がギッシリと軒を連ねている素敵な街。
さっきまで、この街に溶け込んで楽しく笑っていたのに―――。
取り残されたかのように、ただ黙ってここに立ち尽くして、ずいぶん遠ざかってしまったシドの後ろ姿を見つめていた。
あ。
立ち止まったシドが、売店で飲み物を買っているのが見える。
カフェで注文したのに、お互い手つかずだったもんね。
ストローと蓋を外して、一気に飲み干している。
カラになったカップを手に、また歩きだし、その後ろ姿は更に小さくなっていった。
シドが悪いわけじゃない。
せっかく、今日を楽しみにしていたのに。服まで買ってもらったのに………。
―――うん。
決意して。
シドを追いかけようと、歩きだした。
と―――。
私とシドと、ちょうど三角地点の位置に立つ男の人に、なぜか目がいった。
ソフトハットにサングラス、高そうなスーツに身を包んでいる男。
背が高く、ガッシリとした体格。影になっていて顔はよく見えないけれど、整った鼻筋が目立っている。
あの人………ジッと、シドの方を見ている気がするけど………。