• テキストサイズ

【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~




ガタンッ!


我慢できずに、立ち上がる。

どこに怒りをぶつけていいのか、わからない―――っ。



私は、自分の鞄だけを手にして、店を出た。



フウ――ッ。



外に出ると、大きく息を吐き出す。

頭が混乱してるのを必死でなんとかしようして、もう一度、息をつく。

落ち着け、私。

シドを責めるのは、違うよね。

となると、ジル教頭か。

あ。

でも、さっき、『犯人を追及するな』って約束させられたばかり。

『お前の足すくおうとしてるヤツがいる。だから、先手を打った』って、そう言ったっけ。

私の足をすくおうとしてるヤツが誰かは、わからないけど。

少なくとも、ジル教頭は、味方と思っていいのかな。



「おい」


すぐに後ろから、シドに呼び止められる。



「これ持ってけ」


そうか、服。

わざと置いてきたんだった。

服を買ってもらう義理なんかないから。



「いらない。帰る」


―――けど。

ジル教頭の側なら、シドも私の味方でいいのかな?



息をついて、クルリと声の方を向くと―――。

ブンッと大きな音を立てて、紙袋が宙を舞う。

立ち尽くしている私に目がけて、投げつけてきたのだ。



ドサッ。



受け取るしかなくて、両手で紙袋を抱える。



「俺には必要ねえ。いらなきゃ捨てろ」


それだけ言うと、シドは反対方向に向かって歩きだした。







/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp